竹見さまよりお誕生日に頂きました!


『Bird in flight』の竹見さまよりお誕生日のお祝いの言葉と一緒にこんな素敵なものを頂きましたv

その日、吾代は例によって助手に呼び出され、化け物の巣窟へと足を踏み入れた。
「う〜ん…あかねちゃんが喋れたらなぁ…」
遠い目をして呟くのは、女子高生探偵。
机の上に広げてあるものを見ると、どうやら英語の勉強をしているらしい。
「おう、頑張ってんな!」
吾代の挨拶に、上司二人が応える。
「あ、吾代さん、いらっしゃーい」
「遅いぞ雑用。やはり小卒では、道がわからなかったか…仕方ないな、迷子のコネコちゃんは」
「誰が、元職場への道に迷うんだよ!時間かかったのは、テメェがややこしい難癖つけるからだろうがコルァ!」
「それだ!」
「あん?」
吾代の怒鳴り声を聞いて、いきなり探偵が立ち上がり叫び出した。
「先生…突然奇声をあげて雑用を指差すなんて!とうとう頭が…」
「誰がだよっ!」
ウルルッと目を潤ませ、嘘泣きをしつつ自分を貶める助手に、探偵は相変わらずキレのいいツッコミをいれるが、吾代も今回ばかりは助手と同感だった。
「何だよ探偵、イキナリ叫んで。勉強のし過ぎで頭が…」
「吾代さんまで…。違いますよ、その巻き舌です!」
「巻き舌ぁ?それがなんだってんだ?」
「英語の発音ですよ!」
「あん?」
「巻き舌が出来ると、英語の発音がもっと上手く出来るようになるんです」
「へー、そうなのか」
壁では、優秀な秘書が“さあ?”と首を傾げているが、吾代は気付かない。
「だから、やり方教えて下さい!」
「お、おう」
小卒の吾代は、現役女子高生に英語を教える(?)とあって、少し得意げに胸をそらす。
「ほら、こうだ。rrrrrr」
「r…r…う〜?」
「違う!舌の先の方を、上あごのココにつけるんだ」
吾代は自分の口の中を指差しながら言うが、当然よく見えるわけもない。
「口で言って分かるワケがなかろう」
その時、それまで大人しく二人を観察していたネウロが口を出してきた。
いや、出してきたのは、口だけではない。
言葉と同時に、ヤコの頭を掴んでいる。
「実際に、そこを触ればよいだけの話だ」
吾代は、いつもの見慣れた光景…ヤコの口に容赦なく手を突っ込むネウロの姿を思い浮かべ、内心でヤコに合掌しかけた。

しかし、目の前の光景は、想像を遥かに超えていた。

「ん…んん…?」
「ん、んん」
「ん?」
「ん」
二人はお互いの舌で口内を探りあい“ここ?”“いや、ここだ”“ここ?”“そうだ”と確認しあっているらしい。
「お…お前ら…」
「ぷはっ…rrrrrあ、できた!有難うネウロ!吾代さんも有難うね!」
「フハハどうだ吾代。貴様と我が輩では、調教のレベルが違う事が分かっただろう」
「どうだもこうだもねぇっ!いちゃつくんなら二人きりでやれやぁぁぁっ!」
泣きながら事務所を飛び出した吾代を、ヤコは不思議そうに見ている。
「どうしたんだろ、吾代さん…。面倒見がいいから、ちゃんと教えられなかった事に責任感じてるのかな…」
「さてな」
そんな二人の様子を、出し損ねた紅茶を前に、秘書は黙って見つめるしかなかったのだった。


勿論、しばらくの間、雑用が着信拒否を続けていたのは言うまでもない。


以上が、竹見さまに頂いたお誕生日のお祝いでございますー!
近頃、用事なく友人に会う事も全くといっていいほどなくなった中で、
こうして思い出して頂けること、プレゼントを頂けるということの大切さを噛みしめる毎日ですw
しかし、目と目で繋がり、手と脚を触れ合わせて繋がり、最後には口と口ですか!
流石ですネウロさん、そして吾代さんは毎度ブレない可哀想さを見せて下さって愛しいデス。
竹見さま、本当にありがとうございます!