こたつネタとマフラーネタ


08年11月28日に、「=(イコール)」のつき様宅で混ぜて頂いた絵チャで書いたお話。
絵チャ自体のレポと素敵過ぎるイラストの数々は「=(イコール)」>CHAT で拝見する事が出来ます
皆様、ありがとうございましたv

こたつネタ


ネ「おー、真に重要なメールだー。直ぐに確認しなくてはー」
弥「うぐぅっ! ちょっ、いきなり屈まないでよっ。もう、折角の蜜柑が潰れちゃったじゃん! ……あー、こたつ布団がべたべたになっちゃったよ」

ネ「フン、自身よりも先に蜜柑の心配か」 弥「だってさー、あんたにのし掛かられた位じゃ、私は潰れないもん。……てかっ、それって思い切りダイレクトメールじゃん!!」
ネ「ム、失敬な。池谷に紹介されたれっきとした事務用品のネット通販だ」

弥「ふぅん。……ねぇ、ネウロ、一応聞いていい?」
ネ「……何だ?」

弥「今時の事務用品には、足枷錠とかボールギャグとかが普通に含まれてる訳?」
ネ「年末だからな、全品5%OFFだ」

弥「問題はそこじゃないっ! ……もういいや、今更だし。喉渇いたし、また蜜柑食べよ。あ、手錠系は買うのやめてよね。跡付くと、体育の時とかめんどくさいんだよね、アレ」
ネ「ふむ。……所でヤコよ」

弥「はむっ、んぐっ。何さ?」
ネ「貴様、無防備にも男の股ぐらに脚を崩して座り込み、天板と身体に挟み込まれて逃げ場の無いという状況の中、
 滴る汁で手をべたべたに汚しながら絶えず口を蠢かし、じゅるじゅると下品に袋を啜り上げている事に対して、何か突っ込みはないのか?」

弥「ぐっゲホッ! わざと、卑猥に言わないでよっ。……ただ、普通にこたつに入って蜜柑食べてるだけじゃんか。それにさ、」
ネ「ム?」

弥「それこそ、今更じゃん」
ネ「フ……確かにそうだな、我が奴隷(もうふ)よ」
弥「さりげにルビ振って毛布って呼ぶな! そして怪しいモノを当たり前のように買い物カートに突っ込むな!」
ネ「おー、手が滑った!」
弥「ぐへっ」


別パターン

ネ「ヤコ、ヤコっ!」
弥「うわぁ……。ええと、どこから突っ込もうか? その毒々しい青さの半纏? 応接セットの真ん中に畳があること……あぁ! あんた蜜柑なんか食べないじゃん!!」
ネ「ふぅ……。本能で、さりげに本題を避けたな。それとも――ついに眼が腐ったか?」
弥「いたいいたい! 大丈夫、見えてる!! ちゃんとこたつは見えてるから!」


マフラー

ネ「さて、我々とマフラーときたら、首締めプレイがお約束だと思うのだが」
弥「そんな約束を取り付けた覚えはないんで、喜々とした顔で、びんっ、と両手でマフラーを鳴らすのは止めて下さい!」

ネ「ム……。ではどうやって使えと? もしや、叩く方が興奮するのか?」
弥「ちょっ、何でマフラーがそんな棒状になるの!? ……もうっ、貸して!」

ネ「ムッ……」
弥「こうやってね、冷たい外気を防ぐ為に首に巻いて使うの! 分かった?」

ネ「ふむ……。それは良いのだが、ヤコよ、一つ聞いていいか?」
弥「ん? なにさ」

ネ「この、我が輩のこの首は」
弥「うん」

ネ「一体いつの間に貴様のこの首と、」
弥「ひぁっ!? ちょっ、指冷たいっ。いきなり首筋っ、撫でないでったら!」

ネ「同一に数えられるようになったのだ?」
弥「えっと……? あ。あっ! その、それは……」

ネ「それは?」
弥「そっ、それこそっ、お約束という名の仕様だよ!」

ネ「そうか、仕様か」
弥「うっ……うん! 仕様だから仕方ないんだよ」

ネ「では――我が輩と貴様で、他のパーツも同一と数えるのが筋だろう?」
弥「え? あー、私、何か凄く深い墓穴掘ったっぽい……?」

ネ「さて、手始めにまずは肌でも合わせますか先生っ!」
弥「ちょっ、何意味深な事……って、何処に手ぇ突っ込んでんのよ!」

分かりにくいですが、弥子が一つのマフラーを二人で巻くバカップル巻きを素でやらかした感じ。


マフラーその2

視界で揺れるその薄桃色の布の端は僅かな風に乗り、鳥類の尾のようにひらひらと彼の視界を舞う。
 その上で跳ねる短い髪の元々の明るい色と相まって、ひんやりと冷え、仄かに水分を含んだ匂いの大気が満ちる灰色の街で、その華奢な後ろ姿はよく目立つ。

もしこの場で見失ったとしても、簡単に見つかるだろう。
 互いの歩幅から考えても、彼がその小走りで駆ける後ろ姿を見失う事は、実際の所、無いに等しい自体なのだが。
「ネウロ、早くっ! 置いてっちゃうからねっ!」

こちらの思考を読んだように、いつもは置いて行かれる側の娘が、1メートル先で立ち止まり、大きく声を張り上げる。
 後方を振り返った勢いで靡いた、毛足の長いフェイクファーを織り込んだうす桃色のマフラーが、その背で羽根のように大きく広がって跳ねた。その様子に、男は小さく首を捻る。

「はて……。派手な尾羽で異性を呼ぶのは、鳥類の場合は雄だったと思うのだがな」
「ん、何か言った?」

小さく呟いた彼のその言葉に、こちらを見上げるようにして、きょとん、と、小鳥のように傾げられた少女の首に巻かれたその布を、彼は一気に引く。

「ぎゃっ! いきなり何すんのよ!?」

一瞬、強く締まった首に手を当て、軽く噎せながら見上げてくる少女の瞳に、少女から取り上げたマフラーをひらひらと振って見せながら、彼はクツクツと笑う。

「なぁに、貴様のような雛鳥にはまだ早いと思っただけのことさ」
「……あんたって、時々分からない事言うよね」

寒いから返せ! と叫びながら、こちらへと必死に手を伸ばす体躯を見下ろしながら、暫し思案した後、彼はにやりと口をつり上げ、そのマフラーをまるでロープのように広げた。

少女が怯むより先に、その身体を抱えるようにして、その細い首と自身の首にうす桃色の端をそれぞれ巻き付けて。纏ったコートの中に少女を抱え込んだ。

「巣立ちには、まだ大分早いからな……」

仕方ない、仕方ないと、自身の背後で心底楽しそうに呟く男に抱えるようにのし掛かられた少女はただ、困惑に首を傾げるばかりだった。


弥子にのし掛かるネウロさんがマイブームだったのでした。


date:2008.11.28



Text by 烏(karasu)