ネウロと弥子に和歌を詠んで頂いた



  1. ネウロの和歌
  2. 訳文、解説
  3. 弥子の返歌
  4. 訳文、解説

    1. ※急に! かけ詞というものに挑戦したくなってやってしまいました。文法と活用形は適当なので、余り突っ込まないで頂ければ。

『ネウロに和歌を詠んで頂いた』

やすしげに澪標(みおつくし)抜きほころぶを

結び込めしが我が女郎花(おみなへし)


ネ「まぁ……こんなモノか」

弥「あ、何か以外と普通じゃん。もっと酷い事書かれると思ったよ」

ネ「ククク……。どうだろうな?」

弥「何、その含みの有る笑い方……。もしかして、何か変な意味でもあるの、コレ?」

ネ「フン、自身で辞書なり何だり引けばいいだろうに」

弥「いたっ!? もー、分かったわよっ!」


現代語訳と解説

訳1:

やすやすと、澪標の背を越えて。
(つぼみを)ほころばせたのを閉じ込めたのが、僕の女郎花なのですよ。

訳2:

やすやすと、身を尽くして抜きん出て。
(我が輩の)誇りとなったのを、閉じ込めたのが我が女なのだ。


澪標=水路の杭。和歌では「身を尽くし」にかける。

ほころぶ(綻ぶ)=蕾が少し開く

ほころふ(誇ろふ)=誇りに思う

女郎花(おみなへし)=花。和歌ではよく女性に例えられる。

結び込む=閉じ込める



弥「ネっねねっ、ネウロっ!?」

ネ「ほう……。意味の把握までに1時間か。貴様にしては早いことだな」

弥「何なのよこれっ!? 何でわざわざ意味が2重にしてあんのさ!!」

ネ「ム、掛詞を使ってこその和歌だろうが」

弥「……相変わらず、変な所で凝り性なんだからっ」

ネ「で? 返歌はどうした」

弥「返歌?」

ネ「歌を詠まれたら歌を返す、最低限の礼儀だろうが」

弥「いたたたっ! わーかったって、書けばいいんでしょ? 書けば! ……全く、人のこと
雑草呼ばわりしてさぁー」

ネ「………」

弥「ちょっ!? なんなのよ! 何で無言で頭握るのっ! 痛い痛い痛いっ!?」

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愛に気づいて下さい。


『弥子の返歌』

 たやすくと花を呼ぶこゑ軽むれど

つめらる時の苦しきかな

弥「ネウローできたよー」

ネ「……フン」

弥「ちょっ!? 一瞥して床に捨てないでよっ。これでも結構頑張ったんだからねっ」

ネ「ほう……」

弥「うっ……。無言でしげしげ眺められても、それはそれで困るんだけど……」

ネ「……ヤコ」

弥「な……何よ?」

ネ「ここに詠まれたものは全て、貴様の養分となるものだ――忘れるなよ、何一つ」

弥「うん……分かってるよ。
…って、何か今、さりげに雑草扱いされたような……」

ネ「フハハ、気のせいだろう、ブタクサが」

弥「あっ、またけなしやがった!」


現代語訳と解説

訳1:

(世の人は)『簡単に(咲いた)』なんて軽々しく花を呼ぶけどさ、
(ここまでに)重ねられた時間は苦しいものだったと思うのよ。

訳2:

(あんたは)『簡単に(進化した)』なんて私を軽く見るけどさ、
 追い込まれた時は(いつも)苦しかったんだからね!!


花=この場合、ネウロの歌の女郎花
かるむ、かろむ=軽く見る、軽蔑する
時=月日の移りゆく間、その場
つめる(積める)=重ねる、積み重ねる
つめる(詰める)=対処出来ない状態に追い込む

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ネウロ版の「たやすく」に、たやすく噛み付いた結果。
弥子はネウロよりちょっとストレートな子


date:2008.12.14



Text by 烏(karasu)