テーマ:さよなら脳噛先生
主な登場人物:
- 脳噛ネウロ…私立高校のクラス担任。性格に難あり。
- 桂木弥子…脳噛の担当するクラスの少女。超天然気質。脳噛とのつきあいは長い様子。
- サイ…脳噛の担当するクラスの少年。見た目は少年、なのに戸籍は女子。
- 匪口…脳噛の担当するクラスの少年。元ひきこもり。
- テラ…ネウロと同学年のクラスを受け持つ担任教師。
さよなら絶望先生(久米田康治)との、まさかのWパロ。
両方の原作を丸っと無視し、台詞だけで13発。
『ここで会ったが百万人目です』
ネウロ「では……桂木さんから、自己紹介をお願いします」
弥「あ、はい! 桂木弥子です。三月生まれな上に「か」行なので、こんな風に、最初に自己紹介になっちゃいます」
石垣「え、お前って三月生まれだから弥子っていうんだ! プププ…」
弥子「………百万人めです」
石垣「は?」
弥子「それ言うの、あなたで百万人目です! ……ったく、面白いと思ってんの?」
date:2008.09.01
『絶望したっ! ボクの話を奪うバカップルに絶望したっ!!』
テラ「シックスの為なら、ボクは全てを犠牲(すて)られる。身体だって命――」
ドシュン!
テ「――だっ、て?」
ネ「……チッ、外したか」
弥子「先生っ!? 往来で人に向けてランチャー撃っちゃ駄目ってあれほど言ったじゃないっ!!」
ネウロ「フハハハ! 貴様が適当にごまかしておけ」
弥子「ごまかせるかっ! そして投げ捨てるなっ。全く、もうっ」
テラ「――ら、どうする」
弥子「へ?」
ネウロ「ム?」
テラ「死んだらどうするっ!!!!」
ネ、弥「「………」」
ネウロ「ほぉうそうか、じゃあ、死ぬが良い!」
テラ「ちょっ、ソレ作品違う! てか、0距離ゼロ距離!! ランチャー額に当たってるからっ!」
弥子「……もしもの時は、骨、拾いますね」
テラ「キミっ! 可愛いアイコンして、そんな不吉なコト言わないでよぅ!!!」
date:2008.09.01
『執着は連鎖する』
サイ「あ―っ! ネウロが桂木弥子泣かした!!」
ネウロ「……サイ、いたのか」
サイ「うんっ! ず、」
アイ「ずっと、おりましたが…何か?」
サイ「あれっ? アイっ!! いたの?」
アイ「えぇ、ずっと……」
ネウロ「……巣に帰れ、このストーカーどもが!」
弥子「(連鎖だ…ストーカーの連鎖だ……!)」
date:2008.09.01
『いえいえ…深い愛ですよv』
弥子「誰がそんなん聞き入れるかっ!!」
ネウロ「待てヤコ、どこへ行くのだ?」
弥子「帰る! 何がなんでも家に帰るッ!!」
ネウロ「……ふう」
ジェ「全く、何て贅沢な奴隷でしょう!! その上『ご褒美』まで拒否するだなんてっ!?」
ネウロ「ム……いたのか、ジェニェイン」
ジェ「えぇ……ずっと」
date:2008.09.01
『不下校少女』
??「うう……家に帰りたいよぉ、6合炊きの釜でご飯が食べたいよぅ」
ヒグチ「さ、笹塚さん。何かさ……さっきから変な啜り泣きが聞こえるんだけど。俺の気のせい?」
笹塚「あぁ、弥子ちゃんだよ。ほら、噂で聞いた事有るだろ? 『この学校には不下校少女がいる』って」
ヒグチ「そりゃぁ、有名な噂だけどさ……って!? アレ、桂木の事だったの!!」
笹塚「そ。……何でも、補習の度に帰りそびれて、先生に頼んで宿直室に泊めて貰ってたらしいんだけど……」
ネウロ「ハイ! そのうち、付き添いで泊まってた僕も面倒になりまして……ならばいっそ、下校させなければ都合が……おっと。
とにかく、どちらも下校しなければいいという結論で3日程前に折り合いが付いた次第です」
ヒグチ「……せんせ、どっから沸いて来たの!!」
弥子「ひっ、く。うぅっ……近所から夕飯の匂いがして、余計お腹が空いて来たよ……。
いいなぁ、鍋一杯のシチューが食べたいなぁ……」
笹塚「てか先生……コレ、『折り合いがついた』って……言えんの? ……場合によっては、通報するよ」
ネウロ「え、僕が幸せならそれが世の理ですが何か?」
ヒグチ(うわっ……噛み合ってねぇ上にさりげに鬼畜……!)
date:2008.09.01
『俗、不下校少女』
弥子「あぁ、帰りたい、マジ帰りたいよぅ……」
ネウロ「桂木さ−んっ! 生徒から頂いたお菓子が有るんですが、笹塚君やヒグチ君と一緒にいかがですか?」
弥子「えぇっ!? 勿論食べますっ!!」
ネウロ「……ね? 別に拉致監禁じゃないでしょ?
だから――後ろ手に持ってるその携帯はしまって下さいね、笹塚君」
笹塚「……チッ」
ヒグチ「帰りたい、俺が帰りたい……」
ネウロ「黙れ引きこもり」
ヒグチ「元だよっ!」
弥子「みんな−、早く早くっ」
笹塚「……普通に、馴染みすぎだろ!」
弥子「あ、そだ皆。折角だからご飯も食べてかない?
今日はね−、シチューにする事にしたんだけどさぁ一、人分作るの難しくて……」
ヒグチ「食うっ! あ、でも、玉ねぎは要らない」
弥子「もうっ、匪口さんてば我が儘なんだから−」
ネ笹「………」
笹塚「なんつ−かコレ、ふつーに同せ……」
ネウロ「え−? どう、?」
笹塚「……やだ。何か…言いたくない……認めたくないし。
だから……わざとらしく耳向けても無駄だよ、先生」
ネウロ「チッ!」
date:2008.09.01
『引きこもりなんていませんよ』
――遡ること半年前:
弥子「……ねぇ先生、新任早々、あんな大口叩いて大丈夫なの?
『引きこもりを学校に連れて来る』なんて……」
ネウロ「何言ってるんです桂木さん、引きこもりなんて、地上にいる訳ないですよ!」
弥子「……え? じゃあ先生、今から一体何する気?」
ネウロ「妖怪退治ですよv 座敷わらしを退治するんです」
弥子「は? 座敷わらし??」
ネウロ「えぇ、だって考えても見て下さいよ。
留年して19になろうというのに、一人暮らしの邸宅に閉じこもっている少年が人間の訳ないでしょ?
きっと妖怪ですよ。座敷わらしです!
……まぁ、門前で護摩でも焚いたら一発だろう。フハハハハ!」
弥子「その松明で何をする気だ―っ!! 逃げて! 引きこもりさん超逃げて!!!」
date:2008.09.01
『未遂で終わらせました』
弥子「えぇと……。本当にごめんなさい…」
ヒグチ「ケホッ。……誰だよあんた達? 人ん家の前でボヤ騒ぎ起こしたんだから、普通、名前位言うべきたろ?」
弥子「えっと……、この4月からあなたと同級生になった、桂木弥子です。
あ、こっちの無茶苦茶なのが……ブフッ!」
ネウロ「今年から貴方の担任になった脳噛です! 以後、お見知りおきを」
ヒグチ「ふぅん。……ねぇっ、桂木…だっけ?」
弥子「は、はいっ!!」
ヒグチ「あんたさ、よく見ると結構可愛い顔してんじゃん!
今度一緒にお茶してよ。そしたら、俺も部屋出るしで一石二鳥だろ?」
弥子「あ、うんっ!! 良かったね先生っ、目標に向けて第一歩だ……よ?」
ネウロ「………」
弥子「(うわああ……超機嫌悪そう…)」
ヒグチ「じゃ、早速行こうよ桂木っ! 早く早く!」
弥子「あ、うんっ」
ネウロ「………」
弥子「…………ふぅ」
ヒグチ「あれ……桂木?」
弥子「………せんせも、来る?」
ネウロ「はいっ、喜んで!」
ヒグチ「………むぅ」
date:2008.09.01
『出会ってはいけない二人は、いかにして出会ったか』
ネウロ「では、僕はそろそろ帰りますね。あなたたちも、気をつけて真っ直ぐ帰るんですよ。変な気を起こしたら……分かっているな?」
弥子「ハイハイっ! も−、一々言われなくても買い食いなんかしないんだから!」
ヒグチ「………ちぇっ」
ネウロ「――宜しい。では、桂木さんも匪口君も、また明日学校で」
弥子「ふぅ、漸く帰ったよ。じゃ、改めて……いっただっきまぁ−す!!」
ヒグチ「……何かあんたってさ、あの変態教師と比べて――」
弥子「普通って言うな−!」
ヒグチ「いやいやいや!! 喫茶店でケーキ3ホール分は普通じゃね−よ!」
弥子「あっ、……あはは、確かに!」
ヒグチ「……桂木ってさ、何であんなヤバそな先生つるんでんの? 何なの? デキてんの?」
弥子「ぶふっ! うわぁ……匪口さんが変な事言うから、クリーム吹き出しちゃったじゃないですか−。あぁ、勿体ない。ん、んくっ」
ヒグチ「あ−ごめん。そしてご馳走様……でなくて!」
弥子「………実は私も、匪口さんみたくして先生に連れ出されたんだよね」
ヒグチ「え?」
弥子「中学最後の3月にお父さんが死んじゃって。……ちょうど、ってなのも変な話だけど。
春休みだったんで、お葬式が済んでからずっと。家に……引きこもってたんだ」
ヒグチ「あ……、ごめん! やな事思い出させて」
弥子「ううん! 全然大丈夫だよ!! ……ただ、怖かっただけなんだから」
ヒグチ「怖かった?」
弥子「うん……。お父さん、殺されたモンだからさ。しかも私、捕まった犯人と顔見知りで。
その人が、捕まる時に私を見て言ったの。『私を知ったからお父さんを知ったんだ』って」
ヒグチ「ソレ、笑えないよ……」
弥子「うん、普通はそう言うよね。なのにさ! あの先生ってば、お母さんの留守に急に尋ねて来て、『笑え』って言ったんだよ!!
『貴様は泣くべきではない、笑うべきだ』って。本当、勝手なんだから!!」
ヒグチ「……んん? それはいいとして、何でソコで先生が出てくんのさ?」
弥子「あれ、言ってなかったっけ? 先生って、私の家庭教師の先生だったんだ。
ドSで外道なんだけど、その辺のお弁当屋に近い公立行こうと思ってた私を、何だかんだでレベルの高い高校に入れてくれたし。
あ、犯人捕まえてくれたのも先生なんだよ−。まさか同じ学校だとは思わなかったけど」
ヒグチ「桂木ッ! おまえ絶対騙されてるよソレ」
弥子「ん? そうかな?」
ヒグチ「そうだって!!……よし、俺、明日から学校行くよ! 桂木の事、絶対助けてあげるからッ」
ネウロ「……ふ、計画通りだな」
弥子「あ。じゃあ私、毎日家に迎えに行きますよ! そしたらおあいこだし、そんな辛くないでしょ?」
ネウロ「!? ………」
そして『不下校少女へ』。
date:2008.09.01
『少年、サイ・重壱美(エイミ)の謎』
弥子「ねぇ、匪口さん。……やっぱ、おかしいよね?」
ヒグチ「うん、確かに変だわ」
サイ「え―? 何が−?」
弥、ヒ「「あんたの性別だよっ!!!」」
弥子「名簿だと女の子の筈なのに……」
ヒグチ「どう見ても実物、男じゃん!」
ネウロ「いえいえ、おかしくなんかありませんよ」
弥子「あ、先生っ!」
ヒ「……むっ」
アイ「僭越ながら、私が説明致しましょう」
−−−説明−−−−
弥子「……つまり、サイをどうしても女の子にしたかったサイのお父さんが、
余所の女の子の戸……、名前を手にいれて、サイにあ、与えた…って事?」
アイ「えぇ、そういう事です」
ヒグチ「ちょっと待ってよ、戸…名前をサイにあげた事はその子……待って、言わなくていいから!!
聞きたくない聞きたくない聞きたくない……」
ネウロ「ふう……このクラスは軟弱者ばかりだな」
ジェニ「本当ですわ……全く、嘆かわしい事この上ありませんわ」
ネウロ「あぁ、いたのか奴隷」
ジェニ「えぇ……ずっと…(ポッ)」
date:2008.09.01
『放課後の、でも…活動』
ヒグチ「あ−ぁ、面白くないなぁ−! ねぇ笹塚さん、先生ってさ……桂木の事構うの好きだよね、見てイライラするんだけどアレ!」
笹塚「……確かに、アレは少し可哀相だよな……」
ヒグチ「でも……」
笹塚「ん?」
ヒグチ「ああやっていじめられてる所、すっげぇ可愛いのな! ……ああぁ、余計腹立つ!!」
笹塚「でも……」
ヒグチ「え?」
笹塚「笑った顔も可愛いんだよな……」
ヒグチ「………」
笹塚「…………」
ヒグチ「ぜってぇあげねぇから!」
笹塚「……いらねぇよ。…勝手に貰っとくわ」
??「見守る……僕らは優しく見守る……」シャッ
ヒ、笹「「?」」
date:2008.09.01
『吾笹同船』
弥子「あ、私服が残念な吾代さんだ! こんにちは−」
吾代「てめェっ!? イキナリ何だよ、往来の真ん中で、その人を舐め切った呼び方はよォ!」
弥子「え、だって………」
ネウロ「……ねぇ?」
吾代「あぁッ……居たのか、化け物先公」
ネウロ「うむ、ずっと」
吾代「チッ………相変わらず生徒のストーカーよ……休みだってのにご苦労なこって……」
ネウロ「何か言ったか?」
吾代「や……気のせいじゃねェか?」
ネウロ「そうか。残念だった……なッ!」
吾代「うぐぁ! テメェしっかり聞こえてんじゃねェか」
ネウロ「今日はコレのカテイホウモンだ。……性的な意味で」
吾代「てめ、いま小さな声で何か付け足したろ!? 貴重な休日潰してヤる気満々だなヲイ!!」
弥子「だ、大丈夫ですよ!」
吾代「はぁ? 何一つ大丈夫じゃね−よ!! テメエ、ど−見ても喰われる一歩手前じゃね−か」
弥子「だって、先生がしたいのは『過程訪問』だって言ってたし! ね、先生?」
ネウロ「えぇ、そうですよ桂木さん」
吾代「過程訪問だァ? お前、恐怖でついにコッチがイったか?」
弥子「頭ゆびささないで下さいってば! 少なくとも吾代さんよりはまともですよ!! ……IQ的な意味で」
吾代「テメェ、さりげに鬼畜教師のマネしやがって! 生意気なんだよチビ助!」
ネウロ「つまり、今日は本来の『家庭訪問』の下調べとして、桂木さんの家までの道のりを説明して貰う事にしたんです」
弥子「先生ってば、スタート地点が変わると道を忘れちゃうんだって」
吾代「あぁ……成る程…? んんっ?」
ネウロ「フゥ、やはり馬鹿には難解過ぎる理屈だったか……では、行こうかヤコ。時間を無駄にしたな」
弥子「あ、うんっ! じゃ―ね―吾代さん! あっ、来月の合宿は吾代さんは制服で来てね−! 一緒に歩くの恥ずかしいから!」
ネウロ「ククク……それに、あのセンスでは、アッチのケさえ無くなるからな」
吾代「うるせーよ!!! せいぜい一人の夜道にゃ気ィ付けろこの野郎ッ!! ……あ!」
笹塚「アンタ……道端で何やってんの? その服と中身、かなり目障りなんだけど……」
吾代「テメェもほっとけや!! って! ……なぁ、生徒会の犬コロよォ」
笹塚「……何? …俺、あんたと違って忙しいんだけど」
吾代「チッ! ……うちのガッコに、家庭訪問なんて制度、有ったか?」
笹塚「いや…。確か無い、けど……まさか!」
吾代「そのまさかだよ!! チッ、あの化け物め! 拉致未遂の次は不法侵入かよッ!」
笹塚「……匪口に連絡取ろ。あいつ、確か非合法な追跡道具、持ってたはずだ……」
弥子は糸色望先生並に罪作りな体質……というお話でしたとさ!
date:2008.09.01