とにかく、翅那のこと頼んだよ! 私、今のうちに洗濯終わらせてくるから!!」
翅「うむ、任せておけ!」
弥「(……不安だ。これでもかって位に不安だ…。)出来るだけ早く戻るからね!」
翅「ちう、んくっ、んくぅ。くはぁ。………」
ちらり。
ネ「む。何なのだ? いきなり見上げて来て……」
翅「……んくっ、んんくっ。うく。……」
ちらり
ネ「……だから何なのだ。言いたい事が有るならはっきりと――いや、どちらにしろ無理な話か……」
翅「……んんぅ。ん、んくっ……」
ネ「………」
翅「んく、んくっ。……」
チラッ……。
ジッ!
翅「!! うくうぅ……」
ネ「………フッ」
弥「よし、終わった! ありがとネウロ……って、あんたたち、何で授乳しながら睨み合ってるのさ?」
ネ「……うむ、コレが食事の間にいちいち我が輩を見上げて来るのでな、何か言いたい事でもあるのかと、こう、じ―っと……」
翅「……じーっと。プレッシャー与えて睨み付けてた訳ね。はぁ……貸して、ゲップさせるから。
いい? コレは赤ちゃんの性質だから、しようがないの!
理由については、こうして親を覚えてるとか、コミュニケーションの初歩なんだとか、まぁ色々有るみたいたけど……」
翅「うぷ、けふっ。あ−ぅ?」
弥「まぁせめて、目が合ったら、こうして笑い返せば充分じゃないかな? ねー」
翅「ぁ、う。」
ネ「そういうものか?」
弥「そ−ゆ−ものよ。全く……こんな幼いうちから脅して。
翅那が将来、あんたと目を合わせるの嫌がるようになっちゃったらどうするのさ? な―んて……」
ネ「むぅ…………」
弥「ちょっ、何本気で考え込んでんのさ! 冗談だってば……。
あっ、じゃあさ、とりあえず抱っこするだけでいいから! はいっ!」
ネ「こうか?」
翅「ぶ、うぅ―…う、きゃっ、きゃぁ!」
弥「あ、ほら、笑った笑った!」
ネ「………」
むぎゅっ。
翅「くぁ?」
ゴンッ。
……ぱすん。
翅「………」
ネ「……………スマン」
翅「………ぅ」
ネ「――シナ?」
翅「ぅ……え、うええぇぇ――!!」
弥「ちょっ、何か今凄い音がしたんだけど――って、どうしたの? 翅那のこと、そんなぎゅーっと抱き込んで」
ネ「……何でもない」
翅「――っ、あぐ、ふぇぇ。う……」
って、あ! ……しまった。抽選券にあと千円分お買い物が足りてないや……」
翅「えぇっ!!」
弥「あと千円でしょ? ……お弁当なら2個位、ハンバーガーのセットもそんなモンで。
ドーナツなら10個……! よし決まり!」
翅「ドーナツ? ならシナ、かぁさまのおてつだいする! いっぱい、いっぱいするっ!!」
弥「うん、よしよし……じゃあ、早速買いに行こうか!」
翅「うんっ!」
*
店員「……以上10点で、1,050円になります。お持ち帰りでしょうか?」
弥「いえ、全てここで」
翅「ここで!」
店員「!? か、しこまりました……」
*
弥、翅「「いただきます!」」
弥「んくっ、はぁ−。やっぱり身体動かした後に甘い物食べると美味しいね!」
翅「うん……あ! あああぁっ!? それシナがべたかったのにぃ―……」
弥「うえっ? あっ、あぁ……ハイハイ、それじゃあ半分こにしようね―」
翅「うんっ!」
弥「ほらほら、ほっぺたにクリームが。もうっ、食い意地がはってるんだから!
……まったく、一体誰に似たんだろ――ってあぁ、両方か……。多分、僅かにネウロ寄りだろうけど……」
翅「? んぐっ。かぁさまなにかいった??」
弥「う、ううん! ドーナツ美味しいね―って!」
翅「うんっ! とぉさまもくればよかったのにね!」
弥「本当にねぇ−。……何でかあいつ、昔からこういう、デパートみたいな所で色々買うのに一緒に行くの嫌がるんだよね―。
服なら服! ……って、予め目的の決まってる時なんかは、呼んでもないのに無理矢理付いて来たりするくせにさ。……あぐ。
あ、この新製品、結構美味しい。お土産に買ってこうか……」
翅「あぁっ! シナも!! シナもたべてみるぅ−っ!!」
弥「ハイハイ。ほら、あ−ん」
翅「あ−、あぐっ!」